2025/10/31

味の素㈱、バイオ医薬品に関する
開発・製造技術でアステラス製薬と
ライセンス契約を締結

~抗体薬物複合体製造技術「AJICAP®」でバイオ医薬品の創出と高品質化に貢献~


味の素株式会社(社長:中村 茂雄 本社:東京都中央区)はこの度、CDMO(Contract Development &  Manufacturing Organization:開発・製造受託会社)事業の一環として行っている抗体薬物複合体(Antibody Drug Conjugate、以下ADC)開発・製造における独自技術「AJICAP®(アジキャップ)」の供与に関するライセンス契約を、アステラス製薬株式会社(社長:岡村 直樹 本社:東京都中央区、以下アステラス製薬)と締結しました。AJICAP®は、抗体などのタンパク質に対して高精度かつ安定的に薬物を結合させることにより、ADCや他の次世代バイオ医薬品の開発・製造において、分子設計の自由度と効率の大幅な向上につなげることが可能です。この協業により、当社はアステラス製薬が推進する、革新的な次世代ADC開発候補品の研究・製造を支援し、安全かつ効果的な治療法の創出に貢献していきます。

ADCは標的細胞への選択的輸送を可能とする

ADCは副作用が少なく、効果的な治療が期待されることから、がん治療を中心とした需要の高まりと技術革新を背景に、急速な市場成長が見込まれています。世界のADC市場規模は2023年の108億米ドルから、2029年には470億米ドルに達すると予測されており、年平均成長率(CAGR)は28.4%に及びます※1

※1 出典:2024 BCC Research社 “Antibody Drug Conjugates: Technologies and Global Markets

アステラス製薬は、上市済みの製品であるPADCEVTM(ネクチン-4※2 を標的とするADC)に加え、世界中のパートナーとの協業を通じてがん領域におけるADCの研究開発を推進しており、すでにいくつかのプログラムが臨床開発段階にあります。

※2 細胞接着の役割を担う抗原。がん細胞に過剰に発現する特徴を利用したADCの開発が治療法として注目されている。

ADC市場が拡大傾向にある一方で、ADCの開発・製造においては精度を向上させるために、抗体と薬物をつなぐ分子構造を安定化させる必要があるという技術的課題がありました※3。AJICAP®は、抗体の特定部位に選択的かつ均一に薬物を結合できる点が特徴であり、従来技術と比較して製品の品質向上や製造工程の効率化に貢献します。抗体本来の機能を維持しながら薬物を適切な場所に届けることができるため、安全性と有効性の両面で優れた医薬品の開発が期待されています。

※3 参考:2024 Springer Nature社サイト “Antibody-Drug Conjugate Overview: a State-of-the-art Manufacturing Process and Control Strategy | Pharmaceutical Research

従来型のADCと位置選択的ADC

今回のライセンス契約により、当社はアステラス製薬の開発候補品の均一な品質の提供に貢献し、アステラス製薬は選択された開発候補品の開発・商業化により、病気と向き合う患者さんやそのご家族に新たな治療選択肢を提供することを目指します。この取り組みは、当社グループ独自の強みとしてのアミノサイエンス®の応用領域をさらに拡大するものであり、バイオ医薬品分野におけるグローバルな技術連携の一環として位置づけられます。当社グループは今後もAJICAP®をはじめとするバイオ医薬関連技術、ならびに開発・製造受託サービスの提供により、ヘルスケア領域における基盤事業の確実な成長と、人・社会・地球のWell-beingに貢献します。

[参考]
アステラス製薬概要

(1)社  名:アステラス製薬株式会社
(2)所在地:東京都中央区
(3)設立時期:2005年(旧 山之内製薬および旧 藤沢薬品工業が合併し発足)
(4)代表者:代表取締役社長 CEO 岡村 直樹
(5)事業内容:医薬品の製造・販売および輸出入
(6)従業員数:13,643名(2025年3月期末時点、連結ベース)
(7)ホームページ: https://www.astellas.com/jp/

味の素バイオファーマサービス グローバルCDMO事業のご紹介

https://ajibio-pharma.ajinomoto.com/jp/

味の素株式会社・味の素グループの詳細は味の素株式会社 ~Eat Well, Live Well.~
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